機関紙

本研究会は、ジェンダーの問題を、美術や写真、映画や広告やコミックなど、イメージ(視覚表象)の問題から検討していく場として、1995年に設立した。
会員は、美術史の研究者をはじめ、アーティストや、アカデミズムの外で関心を共有する人などから成っている。
本誌は、その活動報告及び研究成果を発表する年報として1999年に創刊し、第3号からは「身体」「戦争」「グローバリズム」などの特集も組んで充実を図った。
2010年の第10号以降、現在は休刊中。

認定特定非営利活動法人ウィメンズ アクション ネットワーク(WAN)にて、全巻PDFにて閲覧可能となっています。
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追記:現在(2019年3月末)書店およびオンライン書店でご購入できません。

*注意*
第8号も巻頭言は「追悼・若桑みどり先生」ですが、これは9号のものとは別の文章です。
若桑みどり氏の追悼特集が組まれているのは第9号ですので、お間違えのなきようお願い致します。

クレヨンハウス(東京・表参道)、栃木県立美術館、国立国際美術館(大阪)、国立西洋美術館(東京)などでも販売しています。

追記:現在(2019年3月末)栃木県立美術館では、創刊号が品切れとなっています。

*研究会誌目次*


【創刊号】

巻頭言/若桑みどり・千野香織・堀ひかり

イメージ&ジェンダー研究会活動報告(1995‐1999年)/千葉慶編

論文/光田由里
論文/加野彩子
論文/ユンナンジ キム・ヘシン訳
論文/キム・ホンヒ 北原恵訳

トピックス/笠原美智子

座談会

編集後記/北原恵


【第2号】
巻頭言にかえて/北原恵

1998年度発表概要
論文/大橋敏江
論文/天野知香
論文/渡辺正孝
トピックス/若桑みどり

会員及び発表者による最近の仕事(著作・論文など:1999‐2000年)/北原恵・堀ひかり編
女性及びジェンダー関係展覧会(1999‐2000年)/小勝禮子編

編集後記/千野香織


【第3号】千野香織さん追悼
イメージ・ジェンダー・西洋美術史/鈴木杜幾子
「記憶・境界・不在」千野香織さんに捧ぐ(インスタレーション)/井上廣子

千野香織さんへの追悼号に寄せて/若桑みどり
「近代」再考─美術と感性の近代─/千野香織
千野香織さん年譜/亀井若菜編

千野香織さんの研究・足跡
1)千野香織先生の日本美術史研究における足跡 亀井若菜 2)透徹した目と暖かいまなざし──ともに美術館・博物館を語った日々から 吉田憲司、3)美術館の展示もまた政治的であること 小勝禮子 4)現代のアーティストの活動への関心 北原恵 5)韓国の美術・歴史への関心─韓国への旅をめぐって 金惠信 6)春画研究のなかの千野香織さん 上野千鶴子 7)千野香織における「日本美術の語られ方」と「歴史教科書」 馬渕明子 8)中学校歴史教科書に対する3つの批判 千野香織(馬渕明子編)

千野香織さんの〈著作・論文〉一覧/亀井若菜編

千野香織さんを偲ぶ
弔辞/鈴木杜幾子、水野僚子
追悼メッセージ/竹村和子、松井やより

石原郁子さんを偲ぶ
追悼メッセージ/堀ひかり、斎藤綾子
書評『イースト・アジア映画の、美』/山内奈央子
著作・論文一覧/北原恵編

塚本靖代さんを偲ぶ
追悼メッセージ/大橋洋一、堀ひかり、山崎邦紀

イメージ&ジェンダー研究会活動報告(1999年から2002年6月)/千葉慶編

1999年3月~2000年度研究会発表概要
論文1 「キモノ美人」成立過程についての研究/森理恵
論文2 二つの本棚から──ドイツ現代美術における〈記憶の表象〉とジェンダー/香川檀
論文3 両性具有像のエコノミー/千葉慶

書評/溝口彰子(キャロル・スクワイアズ編『露出過多』)、立石和弘(イヴ・セジウィック『男同士の絆』)、大橋敏江(岡真理『彼女の「正しい」名前とは何か』)
展覧会評/マ-レン・ゴツィック(田中敦子展)、千葉慶(王家の肖像展)、香川檀(出光真子展)
会員及び発表者による最近の仕事(著作・論文・エッセイ:2001年度)/北原恵編
女性及びジェンダー関係展覧会・シンポジウム・講演・パフォーマンス(2001年度)/小勝禮子編

トピックス
東京都の美術館の現状/笠原美智子
国際シンポジウム「韓国と日本の近現代美術と女性」報告/小勝禮子
ジェンダー関連授業・講座/千葉慶編
編集後記/野口佐和子


【第4号】 特集:拠点としての表象/身体

インタビュー
身体/表象─ジェンダー論は、今、何を問いかけるか─/竹村和子

論文
1 それは、誰の、どんな、「リアル」?──ヤオイの言説空間を整理するこころみ/溝口彰子
2 大衆に消費された『白人』イメージ/工藤恵
3 孕む身体―女性作家の描いた〈妊娠〉の近代―/藤木直実

特別寄稿
民族と女性:革命の周辺/崔貞茂(チェ・チョンム)(金惠信訳)

追悼 塚本靖代さん
尾崎翠「アップルパイの午後」─妹たちの抵抗/塚本靖代


【第5号】 特集:戦争・ジェンダー・表象

巻頭言/若桑みどり

シンポジウム報告「戦争・ジェンダー・表象」の研究史と今後の展望

シンポジウムを開催して/北原恵
戦争・ジェンダー・表象:研究史の流れ/千葉慶
「映像と戦争」についての研究史/池川玲子
欧米における戦争と近現代美術の研究状況/釣谷真由
「戦争と表象」に関する研究動向/吉良智子
『写真週報』にみるジェンダーとエスニシティ/加納実紀代
女性史、歴史学による戦争研究史とその問題点/若桑みどり
シンポジウム質疑応答
「戦争・ジェンダー・表象」の研究史 参考年表

論文 自衛隊をめぐるジェンダー表象─「応援する女」と「守る女」の間で/佐藤文香

翻訳論文 戦争の人民─女性監督の目を通して/カレン・G・ターナー(訳・堀ひかり)

研究ノート 1 ウィリアム・モリスとスーダン戦争─ヴィクトリア朝社会における反戦運動の一断面/栗田禎子
2 日本人女性監督第一号・坂根田鶴子についての新資料─その概要と今後の研究展望/池川玲子

イメージ&ジェンダー研究会活動報告(2003年10月~2004年8月)

2003年2月~2004年2月 発表概要

書評:神林恒道・仲間裕子編『美術史をつくった女性たち』、草薙奈津子監修『女性画家の全貌。』、出光真子『ホワット・ア・うーまんめいど』、若桑みどり『お姫様とジェンダー』、亀井若菜『表象としての美術、言説としての美術史』

展覧会評:アジアの華展、アジアの華Ⅱ展、シンポジウム 戦前の女子美とアジアの学生たちの足跡、合田佐和子展、綿引展子展、YES オノ・ヨーコ展、クサマトリックス展

活動報告:鈴木杜幾子、森理恵、大越愛子、イトー・ターリ


【第6号】

巻頭言/若桑みどり

シンポジウム報告「イメージという戦場―戦争をめぐる表象の政治学―」

シンポジウムを開催して/千葉慶
ナンシー・スペロの《戦争シリーズ:爆弾とヘリコプター》/中嶋泉
戦争と悲母観音/千葉慶
消えた天皇・皇后像と「戦争画」―第二回大東亜戦争美術展に特別奉掲された三枚の絵画/北原恵
着物文様としての大日本帝国地図/乾淑子
アジア・太平洋戦争期のアニメーションに見る自己と他者のイメージ―『くもとちゅうりっぷ』を例に―/木村智哉
ファンタズムとしての戦後―カルメンというメタファーが意味するもの/斎藤綾子
戦争の記憶を越えて―長澤伸穂の試み/由本みどり
肉弾三勇士をめぐる表象の政治学/若桑みどり
シンポジウム質疑応答

論文 戦時下に求められた女性のイメージ―『主婦之友』・『婦人倶楽部』の口絵を中心として/寺田不二子

翻訳論文 東南アジアの女神を取り戻す:女性現代作家による試み(フィリピン、タイ、インドネシア)/フローデット・メイ・V・ダトウィン(訳・中嶋泉)

特別寄稿 総動員体制と落語―野村無名庵をつうじて/李建志

イメージ&ジェンダー研究会活動報告(2004年10月~2005年8月)

2004年4月~12月 発表概要

書評:近代日本の「手芸」とジェンダー/つくられた卑弥呼―<女>の創出と国家/女たちの戦争責任/フェミニン・エンディング―音楽・ジェンダー・セクシュアリティ/戦争とジェンダー

展覧会評:第51回ヴェネチア・ビエンナーレ/やなぎみわ 無垢な老女と無慈悲な少女の信じられない物語展/没後20年 堀柳女展 人形に心あり/リトルボーイ:爆発する日本のサブカルチャー・アート展/きのうよりワクワクしてきた―ブリコラージュアートナウ展

トピックス:被害者は、なぜ消されたのか?―NHK番組改ざんとジェンダー―/西野瑠美子

活動報告:笠原美智子、小勝禮子


【第7号】 特集:美術館という政治

巻頭言/笠原美智子

アンチ・ミュゼオロジー?/建畠哲
指定管理者制度と美術館/笠原美智子
日本の美術館におけるジェンダーの視点の導入をめぐって/小勝禮子
美術館博物館は誰のものか?/森理恵
ニューヨーク近代美術館の「文化的冷戦」/朴昭炫
女性国際戦犯法廷からアクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」へ/池田恵理子

論文1 愛国婦人会というイメージ/乾淑子
論文2 GHQ/CIE教育映画とその影響―戦後民主主義とダイニング・キッチン―/身崎とめこ

翻訳論文 幾何学の周辺:韓国現代美術の女性アーティスト三人の作業/尹蘭芝(訳・金惠信)

研究ノート1 日本美術史研究の現在~何のための日本美術史か?~/池田忍・亀井若菜・森理恵
研究ノート2 「満州映画協会」研究史の整理と今後の展望/池川玲子

イメージ&ジェンダー研究会活動報告(2005年10月~2006年10月)

2005年2月~12月 発表概要

書評:生き延びるための思想/「ジェンダー」の危機を越える! 徹底討論! バックラッシュ/月経と犯罪 女性犯罪論の真偽を問う/韓国近代美術研究 植民地期「朝鮮美術展覧会」にみる異文化支配と文化表象/ガール/Into Performance Japanese Women Artists in New York

映画評:ALWAYS 三丁目の夕日

展覧会評:生誕120年 藤田嗣治展 パリを魅了した異邦人/鴻池朋子展 第0章―世界はいつも密やかで素晴らしく謎めいている/パウラ・モーダーゾーン=ベッカー展/台湾の女性日本画家生誕100年記念 陳進展

トピックス:女性文学といかに出会えるか/山崎眞紀子
生端100年 吉屋信子展―女たちをめぐる物語―/半田典子


【第8号】 特集:「グローバリズム」再考

巻頭言 追悼・若桑みどり先生/北原恵

特集「グローバリズム」再考―世界のジェンダーとアート、研究と創造の現場から
序/小勝禮子
フェミニスト・アートの方法と場(何とかして、どこかで):「中断したトラウマ」展を企画・開催して/F.M.V.ダトゥイン
中国現代美術の現場から/石田留美子
台湾における美術とジェンダー/岩切みお *インタビュー
タイの女性現代美術に関する報告/ソンポーン・ロートプン
アメリカにおけるフェミニズムと美術の現状/由本みどり
英国(UK)のフェミニズムと美術研究/グリゼルダ・ポロックに聞く *インタビュー
フランスにおけるジェンダーと芸術/岡部あおみ
パリ在住アーティスト オノデラ・ユキ、アキ・ルミに聞く *インタビュー
近世イタリア女性芸術家についてのフェミニズム研究・関心をめぐる覚書/新保淳乃
イタリアにおける女性芸術家に関する展覧会情報/黒田加奈子
ドイツにおけるジェンダー研究と美術/マーレン・ゴツィック
ドイツと日本を往復しながら見えてきたもの/井上廣子 *インタビュー
社会的テーマを描く先鋭的な女性画家レーナ・ヘイディス/アンナ・フロルコフスカヤ

論文1 記憶の風化と葬送に抗して――中沢啓治『はだしのゲン』を読み直す/木村智哉
論文2 服装における性差の対立関係―1977年阪大ジーパン論争を事例として/小山有子
翻訳論文 矛盾した女性像―ナチズムのモード写真と日本の女性雑誌における受容/マルタ・カスパース

イメージ&ジェンダー研究会活動報告
発表概要/書評/展覧会評/演劇評/トピックス
I&G研究会会員・発表者活動一覧
編集後記にかえて/野口佐和子


【第9号】 特集:若桑みどり追悼

巻頭言 若桑みどりさんの志を受け継ぐために/池田忍

若桑みどり追悼特集
帝国主義とヌード/若桑みどり
出光真子作≪The Past Ahead≫/若桑みどり
若桑みどり思想マップ
ブックレビュー:『薔薇のイコノロジー』/『女性画家列伝』/『レット・イット・ビー』/『戦争がつくる女性像』/『象徴としての女性像』/『皇后の肖像』/『戦争とジェンダー』

追悼・若桑みどりさん
「猫に鰹節」…追悼若桑みどり/上野千鶴子
若桑みどり先生との36年/上村清雄
自由への信念を学問で実践した自由人/カン・テヒ
ジェンダー文化論への情熱――若桑みどりさんを送る/坂本満
追悼 若桑みどりさん/丹羽雅代
追悼 若桑みどり先生/皆川満寿美
弔辞 イコノロジーとジェンダー研究の総決算を遺して旅だった友へ/森洋子
追悼メッセージ
若桑みどりさんの業績一覧

論文1 〈神話〉からの脱却――戦後日本映画に「父=治者」への意思を追う/千葉慶
論文2 『冬のソナタ』と日本の女性文化:ぷちナショナリズム的キーワードとしての少女漫画・テレビドラマ考察/大城房美
論文3 ロシア〈移動派〉の画家ヤロシェンコの女性像―《いたるところに生あり》《女優ストレペトヴァ》《クルシストカ(女学生)》を中心に―/川島静
翻訳論文 実存的ノマディズムの実行とウェブを利用した逆説的批判:二人の女性アーティストの作品分析によるグローバリズム再考/ジョン・ヘスク

イメージ&ジェンダー研究会活動報告
書評・展覧会評・映画評・トピックス
会員・発表者活動一覧
編集後記


【第10号】 特集:乳房の表象

巻頭言 北原恵

特集 乳房の表象
前言 乳房の表象―可視化/不可視化によるジェンダーの政治学/山崎明子
論文① ペスト危機における女性身体と乳房表象―近世イタリア・ペスト図像の聖母子と<死せる母の乳房にすがる乳児>イメージ―/新保淳乃
論文② 「授乳する/しない/できない乳房」—戦時下日本映画におけるベビーブームと次世代育成力イメージの検討/池川玲子
論文③ ピンクリボンキャンペーンをめぐる表象の政治学/山崎明子  エッセイ1 公共の乳房/西山千恵子
特集関連:書評 マデリン・H・キャヴィネス『中世における女性の視覚化―視ること、スペクタクル、そして視覚の構造』/尾形希和子
Margaret R.Miles “A complex delight. The secularization of the breast, 1350-1750″/田中久美子
木村朗子『乳房はだれのものか—日本中世物語にみる性と権力』/池田忍
エッセイ2 乳がんになって考えた/高橋フミコ

翻訳論文 フェミニズムの視点から問いなおすナ・ヘソクの美術作品/キム・ホンヒ 翻訳:宇都宮めぐみ 監修:金惠信
翻訳論文解題 ナ・ヘソクを語ることの「ジレンマ」/宇都宮めぐみ
論文 中国家電広告におけるジェンダー表象の「生産」過程 ―改革・開放以降の日本製家電広告の「流通」をめぐって―/上村陽子
研究ノート 19世紀末ロシア絵画における本を読む女性の肖像―クラムスコイ『読書する妻ソフィヤ』とゲー『ナタリヤ・ペトルンケヴィチ像』を中心に―/川島静
研究ノート 『蝶々夫人』におけるオリエンタリズムとジェンダー ――2000 年前後の「読み」を中心に/嶋田直哉

イメージ&ジェンダー研究会活動報告
特別例会報告
「女性のかたちをした普遍性の熟考された断片」:アルフレッド・スティーグリッツと女性ヌード エリザベス・アン・マッコーリー/村井則子
エラ・ベルクマン=ミヒェル――写真、映像、そして〈新しいフランクフルト〉 マルタ・カスパース/香川檀

トピックス
国際シンポジウム 「ジェンダー研究とアートの現状――「グローバリズ ム」再考」
開催趣旨 北原恵
第1部 世界の諸地域のジェンダー研究とアートの現状/北原恵
第2部 アジアの諸地域のジェンダー研究とアート/小勝禮子
第3部 戦争・記憶とアート/金惠信
全体討議 香川檀

展覧会リスト2008~2009 小勝禮子・編/解題
展覧会評
女性画家の大阪 森理恵/亀高文子とその周辺 山崎明子/芥川紗織展 中嶋泉/ステッチ・バイ・ステッチ 針と糸で描くわたし 森理恵/石内都展 小勝禮子/井上廣子展 西野みなみ/やなぎみわ「老少女劇団」 鈴木杜幾子/やなぎみわ「婆々娘々」+E&D/「SuperModels」 光田由里/彼女たち@ポンピドゥー・センター 岡部あおみ/お姉ちゃんが帰ってきた! 北原恵/中国現代美術との出会い 石田留美子/富山妙子の全仕事展 1950-2000 池田忍/ウテ・アウラントの詩的映像世界 田丸理砂

活動記録 「ひとつの応答」活動記 2008~2009 イトー・ターリ
入会案内
編集後記 池川玲子